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現段階ではフェース6には上がらない可能性

と、WHOのチャン事務総長が発表。
併せて南半球の感染拡大状況を慎重に見極めなければならない、との見解。
一方、メキシコでの感染例に重度な下痢の症状が確認されているそうです。

ちなみに、読売新聞によると、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者数は4日、メキシコで新たに221人が確認されたことなどで全世界の合計が1243人に達し、一気に1000人を大きく超え、感染が確認された国・地域では、新たにエルサルバドル、ポルトガルが加わり、21か国・地域となった。メキシコでの死者数も7人増え26人となり、感染疑いも含め新型インフルエンザはなお拡大を続けている、とのこと。

アメリカを始め、沈静化に向けた発表が目立ってきたが、我が国を含め1918年に世界が経験したパンデミックであるスペイン風邪も、当初は弱毒性であったとのことで、徐々に強毒化しつつ鎮静と拡散を繰り返しながら感染を広めていき、なんと日本でも40万人が死亡している事実は、あまりよく知られていない。

恐怖にはきりがないものだし、完全なる予防は不可能だが、油断せずに継続した注意が必要だと感じる。

昨日、社内スタッフでメールしており、舛添厚労省大臣の発表と横浜市の中田市長のやり取りが話題になり考えさせられたので、若干触れておきます。

=====================ここから
今回のようなケースでの行政の対応というのは、結局ベストなりベターなりなものが判断できていないということを再認識させられましたね。

心理の世界においてある程度の誘導、治療、開発は個人レベルでは可能になってきています。よい例ではカウンセリングであり、悪いところではマインドコントロールということになるでしょうか。また、心理テストなどによって行動傾向を探ることもできています。
しかしながら、それが集団が対象となるととたんに研究が希薄になってしまうようです。社会学の分野ともいえると思うのですが、今回のようなケースでどのようにすれば集団に落ち着いて行動することを促せるか、ということに答えが出ていないのです。
私が心理から離れてすでに10年ほどたっていますが、恐らく今でもその有意義な回答はないと思います。
パニックに対応するパターンの研究はかなり多く存在しますが、特定の場所、数百人程度を上限とした研究がほとんどです。映画館に試写会をうたって人を集めて、火災がおきたという想定で避難をさせてみるなどの研究がそれにあたります。
今回のように日本国民に向けて、もしくは自治地区住民すべてにむけてという研究はおそらく無いに等しいと思いますし、実験的に何かをおこなうということも不可能だと思います。

そういう意味ではちょっとばかり話題になっていますが、舛添さんと横浜市長、神奈川県知事の応酬はただのケンカに終わらせるのではなく、りっぱな研究材料になるのではないかと思えます。

舛添さんに対する非難は実際には感染を疑われた人が陰性だったからこそなりたつものです。しかしながら、実際に電話回線がパンク(本当にしたかどうかは知りませんが)するという状況を生み出した対応の仕方だったことも正しいとは言い難いものがあります。

非常に評価されにくいところだと思いますが、パニック映画でテーマになっているのはそのパニックの原因そのものにプラスして人間の行動と行政の対応が必ず入っているように思います。
これらについてThinkすることもとても大切なように思います。
=====================ここまで

この会話の後にある報道を見て思いましたが、厚労省と横浜市が同時に記者会見なり発表なりをリリースできれば良かったのだと思いました。
もちろん、その調整に時間が掛かりすぎて、公表自体が遅くなっては意味がないですが、先日の発表直前まで当局同士は電話でやり取りをしていたそうなので、残念でした。

いずれにせよ、先般の失敗学会参加でも想いを強くしましたが、緊急時やトラブル時の広報の在り方とその準備には、非常に多くの配慮と繊細で細やかな対応が求められ、単純な製品やサービスの発表と比較にならないほどの高度な仕事が必要だと、改めて感じました。

新型インフル騒ぎですっかり掲載できないままでしたが、先般公開された「安心レーシック・ネットワーク」のWEBサイト制作をお手伝いしたときも、同様の感想を強く持ちました。

ちょうど、銀座のクリニックでの事件直後のことでしたので、反響が大きかったです。
新型インフルエンザのような場合の緊急性とは比較になりませんが、受け手の患者さんやみなさんのために、少しでも有益な情報発信をと考えても、「しがらみ」や「関連先の立場」、「関係者それぞれのメンツ」などが作用して、なかなか思うような情報発信が叶わない。
という難しさがつきまといます。

こうした部分にも、メディカルとメディアが果たさなければならない、大きなテーマが隠されています。
(八村大輔)



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